はじめに
Crusader Kings III(CK3)において、策略(Intrigue)は他者を操ったり、隠密行動を仕掛けたり、長期的な計画を成就させる力を意味します。発覚リスクや協力者の選定など戦略的な判断が重要です。
本記事では、策略能力が計画の成功率や秘匿性にどう影響するか、能力の上げ方や関係する性格・特性・配偶者・イベントなど、実践で使える具体的な要素を丁寧に解説します。策略をもっと有効活用したいあなたのためのガイドです。
策略の定義
ゲーム内の解説によると、以下のように説明されています。
策略とは、ほかのキャラクターの考えを読んで操ったり、複雑な陰謀を企んだりする技術を表現した能力です。
策略能力は主に、策略を用いた工作を進めたり、それらから身を守ったりするために用いられます。
対応するライフスタイルは策略ライフスタイルです。
読み解いていきましょう。
工作とは
工作は周囲の世界を変えようとする長期的な試みです。工作はキャラクター、称号、文化、宗派を対象することが可能で、タイプは対人、敵対的、政治、契約工作の4つがあります。
工作の成功率は関連能力の熟練度に応じて時間とともに上昇します。また、共謀した工作員の影響を受けることもあります。
秘密工作相手に知られぬまま実行できるものの、秘匿力が低い場合には見抜かれてしまいます。
①対人工作
対人工作は、工作の首謀者と工作対象の間に特定の状態を引き起こそうとする工作です。
4種類あります。
懐柔工作は、好感度を上昇させることを目的として行います。
親睦工作は、友人になることを目的として行います。
誘惑工作は、愛人にすることを目的として行います。
駆け落ち工作は、宮廷に連れてきて婚姻するために行います。
②敵対的工作
敵対的工作はキャラクターに害を与えようとする工作のことです。ほとんどの敵対的工作は秘匿力を利用します。
4種類あります。
暗殺工作は、命を狙うことを目的として行います。
誘拐工作は、投獄することを目的として行います。
玉座要求工作は、称号を要求することを目的として行います。
フックの捏造は、フックを生み出すことを目的として行います。
③政治工作
政治工作には、主に政治的および官僚的な性質を持ち、官僚制およびマンダラ制政府タイプによってよく使用される工作が含まれます。
6種類あります。官僚制を採用する日本などで使うでしょう。
地位への非議工作は、影響力を奪うことを目的として行います。
退位工作は、皇位に就くことを目的として行います。
勢力基盤拡大工作は、投資限度を上昇させることを目的として行います。
請求権捏造工作は、称号に対する請求権を取得することを目的として行います。
宣伝工作は、特定の人物の候補者スコアを上昇させることを目的として行います。
中傷工作は、特定の人物の影響力と候補者スコアを下降させることを目的として行います。
また、マンダラ制では諸侯強要工作が利用でき、これは朝貢国を得ることを目的として行います。
④契約工作
所領なしの冒険者としてプレイしている場合に用いる計画です。
工作の成功率
工作の成功率は、工作がうまく実行される確率を示しています。
工作の成功率は、割り当てられた工作員と関連能力に応じて時間とともに増大します。成功率には工作限界による制限がかかっています。契約工作を除き、いずれの工作も95%の成功率を超えることはありません。
秘密工作は標的に見破られるリスクもあり、見破られた場合は成功率が大きく減少します。
成功率は以下のとおり決定されます。
①初期成功率の決定
工作の成功率は、自己の策略の値だけ増加します。これが基本の値になります。
評議員の密偵頭の任務を「工作の援助」に割り当てると、成功率が5%増加します。
加えて、密偵頭の策略能力の1/2の値が成功率に加算されます。
例えば、自己の策略が22で、密偵頭を工作の援助に割り当てており、密偵頭の策略が27である場合、22+5+(27/2)=40.5となります。この場合の初期成功率は40.5%です。
②初期フェーズの決定
フェーズごとに工作の成功率が1上昇します。
フェーズは原則として0から始まります。しかし、策略能力が15以上の場合はフェーズ1から始まり、20以上の場合はフェーズ2から(以下繰り返し…)始まります。つまり、自己の策略能力が22である場合、計画はフェーズ2から始まります。
フェーズが5に達すると計画の実行が可能です。
③工作フェーズ間隔の決定
フェーズが1進むのに要する期間は、原則として120日です(最低値は10日)。
期間は、自己の策略の1/4の値だけ減少します。
また、密偵頭の策略の2倍の値だけ減少します。
さらに、工作員の貢献度により減少します。
一方で、計画の相手方(無称号の場合はその君主)の策略能力の1/10の値だけ増加します。
また、相手方の階位により増加します(伯爵領持ちなら10増加)。
さらに、相手方の密偵頭の妨害工作任務(基本値5に密偵頭の策略能力の1/2を加算し決定される値)により増加します。
例えば、自己の策略能力が22であるなら、5.5日減少します。
また、密偵頭の策略能力が27なら、2倍して54日減少します。
協力者による貢献度は45であるため、45日減少します。
一方で、無称号の相手方の君主の策略能力が2であるため、0.2日増加します。
その君主が伯爵領持ちであるため、10日増加します。
相手方の密偵頭が不在であるようなので、5日のみ増加します。120-(5.5+54+45)+(0.2+10+5)=30.7となります。四捨五入して、31日がフェイズ間隔となります。
④フェーズが進行するごとに上昇する成功率の決定
フェーズが1進行するたびに、成功率は上昇します(上限95%)。
策略能力22で、9.9%上昇しました。
秘匿力
敵対的工作の秘匿力は、標的に知られぬまま工作を実行できる確率を示しています。
工作の秘匿力には、工作が発見されない初期期間が存在します。この期間を過ぎたあとは、工作は毎月、破綻により発覚する可能性があります。工作員は工作を秘密裏に進行させるのに非常に重要です。
秘匿力が80%であれば、実行時に20%の確率で、工作継続中は毎月2%の確率で計画を見抜かれてしまいます。
秘匿力の基本値は20%(最大値95%)です。
ここから、自己の策略の2倍の値だけ増加します。
協力者の貢献度の値だけ増加します。
一方、計画対象の相手方の1/2の値だけ減少します。
例えば、自己の策略能力が22、協力者の貢献度が35、相手方の策略能力が6であった場合、20+(22・2)+35-(6/2)=96となり、秘匿率は95%になります。
破綻した場合、成功率は大いに減少します。破綻する確率は、100から秘匿率を減算した値を1/10した値になります。
また、計画実行時に見抜かれる確率は、100から秘匿率を減算した値です。
工作員
工作員は工作に参加している人物であり、3つある恩恵のうち1つを与えることができます。恩恵はそれぞれ、成功率の増加、フェーズ期間の減少、秘匿力の向上です。工作員として雇えるのは標的の廷臣、客人、直臣だけです。
敵対的工作においては、標的に近しい者を工作員として雇うことが非常に重要です。たとえば、標的の評議員や近親はフェーズ期間と成功率に与える恩恵が大きくなります。
敵対的工作の工作員になることは犯罪であり、発見されてしまうリスクもあります。
工作員は、計画の画面から適宜任命できます。
非協力的な者も、金や威信を用いることで参加させることができます。
策略の上げ方
性格
正確には、策略能力を上昇させるものがあります。詳細は別記事を参照してください。
身体的特性
明敏・聡明・天才により、+1、+3、+5だけ上昇します。
配偶者からの援助
評議会タブから、配偶者の任務を「統治者の援助」にした場合、配偶者の策略能力の1/5の値だけ増加します(切り捨て)。
「宮廷の陰謀」にした場合、配偶者の策略の1/2の値だけ増加します。
その他
アイテムやイベントにより増加することがあります。
おわりに
策略を深く理解することは、CK3でのプレイにおいて大きなアドバンテージになります。工作の成功率を上げるためには、自身の策略値を高めるだけでなく、工作員の選び方や秘匿力への配慮も欠かせません。今回紹介した性格・身体的特性・配偶者の援助などを意識して育成することで、より確実に策略を成功させられるようになります。また、工作を一度破棄した場合、一定期間再開できないというペナルティがあります。そのため、計画がどのように進むのかを予想する助けになればと思います。
策略以外の能力(外交・軍事・管理など)と組み合わせることで、全体の戦略がより強固になるので、他の記事も参考にしてみてください。皆さんの王朝の策略が見事に成功しますように。
外交能力については、こちらの記事を参照してください。
軍事能力については、こちらの記事を参照してください。
管理能力については、こちらの記事を参照してください。
学識能力については、こちらの記事を参照してください。

